神無月と実りの秋

2025.10.03

こんにちは。

料亭旅館三田清プランナーの細野です。

暑い夏が過ぎたと思ったら9月も引き続き暑く、
10月になってやっと猛暑が残暑になったといっても
過言ではないくらいですね。

 

その10月は和名では『神無月』

名前の由来についていちばん有名なものは
皆さん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

全国の八百万(やおよろず)の神々が、
縁結びなどの大切な会議をするために、
島根県の出雲大社へ一斉に出張してしまう、というものです。

そのため、各地から神様が不在になるので「神無月」。

 

逆にお迎えする出雲地方では、
全国から神様が集まってこられるので
「神在月(かみありづき)」となるのも同じくよく知られています。

 

実は他にも「神無月」の「な」は「の」という意味で、
「神の月」を意味する「神な月」だったという説や、

その年に収穫された新しい穀物でお酒を造る
「醸成月(かみなしづき)」が変化した、など諸説あるようです。

どの説が本当だとしても、
古くから人々がこの月を大切に思い、
様々な意味を込めてきたことが伝わってきます。

 

いっぽう、当館のある三重県には伊勢神宮があります。

伊勢神宮においても10月は大事な月。

なぜかというと、年間1500回もあるお祭りの中でも
一番重要なお祭りである『神嘗祭(かんなめさい)』があるからです。

神嘗祭は、その年に採れた新しい穀物を
天照大御神に奉納して、恵みに感謝するお祭り。

農耕民族として発展してきた日本人らしいお祭だなと
感じるのは私だけでしょうか。

 

もちろん、10月は穀物だけでなく、
様々な食材が旬となる実りの秋です。

ただ美味しいだけでなく、夏を乗り越えた体に
必要な栄養素もたっぷりつまっています。

旬のものをいただくことは、季節の移ろいを感じ、
自然の恵みに感謝する、とても贅沢な時間なのかもしれません。

 

日ごとに短くなる日差しに少し寂しさを感じながらも、
澄んだ夜空に浮かぶ月を眺めたり、

どこからともなく香る金木犀に秋の深まりを感じたり。

忙しい毎日の中でも、ふと立ち止まって五感で
季節を感じる余裕を持つと、心も豊かになる気がします。

 

当館でも、この時期ならではの旬の食材をふんだんに使った、
心づくしの料理をご用意しております。

実りの秋を存分に味わいに、ぜひお立ち寄りくださいませ。

従業員一同、お客様のご来館を心よりお待ちしております。